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ISC71 総合テーマ:

「未来の設計図」

  2025年、日本では20年ぶりとなる国際博覧会、通称「大阪・関西万博」が開催されます。この世界的イベントは、知識や文化が国境を越えて集結し、未来の可能性を示す場として位置づけられています。「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマのもと、多様な国々やバックグラウンドを持つ人々が協働し、地球規模の課題に挑むプログラムが多数展開される予定です。このような背景を受け、第71回国際学生会議では、大阪を会場に選び、万博のテーマウィークに沿ったトピックを設定。現代社会が抱える複雑な課題を議論し、その未来像を描く試みを行います。

  現代において、指数関数的に進化を続ける技術は、私たちの生活を便利で豊かなものへと変化させてきました。しかしその一方で、環境問題や社会的不平等、資源の過剰消費といった新たな課題も生み出しています。これらは、人類が発展を追求し、目の前の問題を十分に解決しないまま進んできた結果として積み重なってきたものです。2015年に「誰一人取り残さない」ことを目標に掲げて採択された持続可能な開発目標(SDGs)は、2030年という達成期限が迫っていますが、現在達成可能とされるゴールはわずか16%に過ぎません。この大きな壁を前に、私たちは問い直さなければなりません。いま、何をすべきなのか。そして、どのような未来を設計し、それを実現していくべきなのか。AIやデジタル技術の進化によって、私たちの生活はこれまでにない効率性を手に入れました。しかしその一方で、これらの技術に頼りすぎることで、人々が自ら考え、行動する機会が失われつつあります。効率化が解決する課題がある一方で、技術では補いきれない、複雑で多面的な地球規模の課題も山積しています。だからこそ、今求められているのは、人と人が顔を合わせ、異なる価値観やアイデアを交換し合う「対話」の力です。この対話こそが、未来を切り拓く突破口となるのです。

  私たちが目指す「未来の設計図」とは、単なる技術的な解決策にとどまらない、より包括的で持続可能な社会のビジョンです。大阪・関西万博という世界的な舞台を最大限に活用し、多国籍の学生たちが対面で議論を重ねることで、斬新で革新的なアイデアが生まれることを期待しています。この対話の積み重ねを通じて、私たちは新しい未来の姿を描き出し、現代社会に必要な指針を示すことを目指します。それは、技術と人間性が調和し、誰もがその未来を共有できる社会の創造です。

​テーブルトピック

T1

未来への文化共創

多様な文化が共鳴し、未来への文化が共創されるために、
私たちは何をすべきか?

トピック概要:

   文明や技術の発展、国や地域といった集団の形成とともに、世界には多様で独自な「文化」が創造されてきた。現代では、情報化やグローバル化の進展により、他文化に触れることが容易になった一方で、伝統文化の継承やその価値を見直すことが課題となっている。本トピックでは、文化が独自性を保ちながら、多様な文化が共鳴し、互いに新たな可能性を生み出すための方法について議論を進めていく。

 

問題の例:

   伝統芸能、歴史遺産、地域活性化、観光、アート、音楽、スポーツ、文化芸術、クールジャパン、マンガ・アニメ、eスポーツ など

 

想定される解決策や成果:

   地域体験型プログラム・インターンの実施 / 伝統と現代の融合を進めるプラットフォームの創設 / デジタル技術を活用した文化遺産の保存と継承

未来のコミュニティとモビリティ

誰もがその人らしく生きられるコミュニティとは?

T2

トピック概要:

   現代社会では、モビリティ技術やデジタルインフラの発展により、人・物・サービスが場所を問わず移動・利用できるようになり、リモートワークやSNS、メタバースの登場で距離を超えたコミュニティ形成も進んでいる。一方で、都市と地方のインフラ格差や災害時の脆弱性、高齢者や障がい者を含むすべての人のアクセス確保が依然として課題だ。本トピックでは、デジタル化やモビリティの進展が生み出す新たなつながりや個々の活躍の場に注目し、柔軟な視点から未来社会の可能性と課題を探る。災害復興、高齢化、デジタル空間での個性の発揮など、現実と仮想を交えた社会のあり方を議論を進めていく。

 

問題の例:

   スマートシティ、デジタル田園都市、防災・復興、メタバース、宇宙、ロボット、EV・FCV、自動運転、空飛ぶクルマ、サイバーセキュリティ、MaaS など

 

想定される解決策や成果:

   地方と都市を結ぶインフラ整備とアクセス向上 / 災害時に迅速に対応できるモビリティシステムの構築 / メタバースと現実空間を融合させた新しいコミュニティ形成

 

T3

食と暮らしの未来

全ての人々が食と暮らしに困ることがない未来は
どのようにすれば実現できるのか?

トピック概要:

   先進国ではモノやサービスが簡単に手に入る一方で、過剰な生産と消費が環境への負担を増大させている。他方で、世界には食糧不足や貧困に直面し、十分な暮らしを得られない人々も多く、物質的な格差が広がり続けている。また、共働き家庭の増加や単身世帯の拡大といった社会構造の変化により、人々の暮らし方は多様化してきた。本トピックでは、すべての人が衣食住を十分に享受できる未来の暮らしを目指し、持続可能な消費と生産の在り方、格差を是正する仕組み、そして技術革新の活用をテーマに議論を進めていく。

問題の例:

   フードロス、フードテック、食育、食文化、スマート農林水産業、サステナブルファッション、エシカル消費 など

 

想定される解決策や成果: 

   人口や消費量に合わせた農業生産の実現 / ファストファッションからサステナブルファッションへの転換 / 食品廃棄物の循環型システム構築 / 個別最適化された栄養管理

学びと遊び

AI時代において人は何を学べば良いのか?

T4

トピック概要:

     現代社会では、テクノロジーの進展により、学びの方法が急速に変化している。AIは膨大な情報を処理し、効率的に学習を進めることが得意だが、創造力や感情に基づいた学び、柔軟な思考力は人間ならではのものだ。また、オンライン教育やデジタルツールの普及により、学びのアクセスは広がった一方で、教育格差は依然として課題である。本トピックでは、AI時代における学びのあり方を再考し、機械と人が協力して新しい学びの仕組みを作り出す方法を探りながら、すべての人に平等な教育機会を提供できる仕組みを議論する。

問題の例:

     生涯学習、EDTEC、知財活用、個別最適化学習、遠隔教育、若者自立 、教育格差、STEAM、アントレプレナーシップ、世界の遊び など

想定される解決策や成果: 

 AIと人の共同学習モデルの構築 / 創造的思考の促進 / 個別カリキュラムの策定 / 企業型教育プログラムの実践

T5

平和と人権

あらゆる差別をなくし、互いを尊重し合う社会を
実現するために、世界は何をすべきか?

トピック概要:

 世界各地では貧困や社会的な不平等が広がり、その影響で多くの人々が基本的な権利を享受できていない現状がある。特に、仕事や教育の機会における差別、生活環境の不平等、また、社会から疎外される少数派の人々が直面する問題は依然として深刻だ。これらの問題を解決するためには、社会的な構造の見直しが必要である。人々が平等に扱われ、互いに尊重し合える社会を実現するためには、政策の改革や市民の意識改革が欠かせないだろう。本トピックでは、こうした課題に対し、どのようにアクションを起こすべきかを議論し、実行可能な解決策を模索していく。

 

問題の例:

 飢餓、貧困、格差社会、人権侵害、児童労働・強制労働、人身売買、障がい者参加、ジェンダー平等、LGBTQ、女性の活躍推進、移民、人間の安全保障、多様性と包摂性 など

 

想定される解決策や成果: 

 教育を通じた多様性と包摂性の理解推進 / LGBTQ+や移民の権利を守る法整備 / 社会保障制度の整備と貧困削減プログラムの強化 / ジェンダー平等を実現する政策の推進

地球の未来と生物多様性

豊かで多様ないのちが住む地球を未来に残すために、私たちは何をすべきか?

T6

トピック概要:

 地球上の生物はそれぞれの役割を持ち、共生することで自然のバランスが保たれている。しかし、人間の活動によってそのバランスが崩れ、気候変動や森林破壊、海洋汚染などが進行している。これらは多くの生物に影響を与え、絶滅の危機に追い込んでいるのである。また、生物多様性の損失は人間社会にも悪影響を及ぼし、食糧供給や医療、環境保全などに支障をきたす可能性がある。本トピックでは、持続可能な社会を実現するために、生物多様性の保護と回復に向けた具体的な方法について議論する。

問題の例:

 気候変動、脱炭素、生物多様性、サーキュラーエコノミー、再生可能エネルギー、水素社会、ネイチャーポジティブ、森林破壊、海洋汚染、里山再生、淡水資源 など

 

想定される解決策や成果: 

 生物多様性回復プログラムの実施 / 生態系サービスの保全と価値化 / 自然体験型の教育

​団体について

国際学生会議(ISC)では世界中から情熱溢れる学生が集まり、今日世界が直面している課題について議論します。1954年から毎年開催されているISCでは、世界各地の学生を日本に招待し、グローバルな課題を多角的な視点から議論し、政策提言などの作成を通して、解決策を探る機会を得ることができます。

また、ISCでは毎年様々な方面の課題を議題としてピックアップし、その分野の専門家、教授なども招待し、本格的にそれぞれのグローバルな課題に向き合うことができる団体でもあります。

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